スウェットとは?裏毛・裏起毛と素材の違いをメリヤス視点で整理|FOLKTALE
結論:スウェットは「生地の名前」から始まった
スウェット(sweat)は本来「汗」を意味し、衣料の文脈ではまず “裏側に別構造(裏毛・起毛)を持つ厚手の綿メリヤス生地” を指す言葉として使われました。
現在はその生地で作られた トップス(sweatshirt)やパンツ(sweatpants) まで含めて「スウェット」と呼ぶことが多い。
このノートでは、定義 → 生地(裏毛/裏起毛)→ 素材(綿/混紡)→ 用語(トレーナー/パーカー)→ 歴史 → 選び方 の順で整理します。

1. スウェットとは何か:定義を最短で整理する
スウェットという語は、「汗」に由来します。衣料では、汗を吸いやすい厚手のメリヤス生地を指す用法が広まりました。
その後、「その生地で作られた服」まで含めて一般化し、現在は 生地 と 服種 の両方をまとめて指す語として使われています。
- 生地としてのスウェット:裏毛/裏起毛など、裏側に別構造を持つ厚手のメリヤス
- 服としてのスウェット:その生地で作られた sweatshirt / sweatpants など
2. スウェット生地の核心:裏毛と“二重構造”
スウェット生地の最大の特徴は、裏側に「裏毛」構造を持つことです。
2-1. 表と裏で役割が分かれた“二重構造”
多くのスウェットは、表側が比較的フラットで、裏側にループや起毛を持つ「二重構造」のメリヤスです。
- 表側:見た目の面(プリントの受け面にもなる)
- 裏側:汗・空気・保温を担う機能層(裏毛/起毛)
この二重構造が、スウェットの「厚み」「弾力」「保温」「吸汗」に直結します。
2-2. 裏毛(loopback / French terry)と裏起毛(fleece)
裏側の状態で大きく2つに分かれます。
-
裏毛(ループのまま)
ループが並ぶ状態。汗抜けが良く、季節の幅が広い。
英語では loopback や French terry と呼ばれます。 -
裏起毛(フリース)
ループを起毛して毛羽を立てた状態。空気を含みやすく、保温性が高い。
その一方で、汗量が多い場面では蒸れやすさが出ることがあります。
3. 素材:コットン100%と混紡、機能素材
スウェットの「生地感」は、裏毛構造だけでなく、素材比率でも大きく変わります。
3-1. コットン100%
- 肌触りが柔らかい/静電気が起きにくい
- 洗い込みで馴染みやすく、表情の変化が出やすい
- 化繊特有のテカりが出にくい
一方で、乾きの遅さや縮み・型崩れの出方は個体差があり、扱い方の影響も受けます。
3-2. コットン×ポリエステルなどの混紡
- 乾きやすい/シワになりにくい
- 軽く、型崩れしにくい
- 生産効率が良い
ただし、毛玉やテカり、経年の表情はコットン100%とは別の出方になります。
「買い替え前提で実用優先」なら合理的、「経年の表情を重視」なら綿比率が高いほうが選択肢になります。
3-3. ドライスウェットなど機能素材
吸水速乾やストレッチ等の目的で設計されたスウェットは、運動用途では非常に優秀です。
一方で、コットン主体のスウェットとは“狙っている性質”が違うため、同じ基準で比較しないほうが選びやすくなります。
4. 用語整理:スウェット/トレーナー/パーカー/カットソー
日常では言葉が混ざりやすいので、最低限だけ整理します。
4-1. 「トレーナー」はクルーネックのスウェットシャツ(和製の呼び方)
日本で「トレーナー」と呼ばれる多くは クルーネックのスウェットシャツです。
英語では一般に sweatshirt と呼ばれます。
4-2. 「パーカー」はフード付きのスウェット(hoodie)
フード付きは hooded sweatshirt、略して hoodie。
つまり、
- クルーネック:sweatshirt
- フード付き:hoodie
どちらも中身はスウェット生地のトップス、という整理です。
4-3. 「カットソー」は“メリヤスを裁断して縫った服”の総称
Tシャツ、ロンT、スウェットシャツは、すべてメリヤス由来のカットソーです。
スウェットはその中でも 裏側に別構造を持つ厚手のメリヤス、という位置づけになります。
5. メリヤスと織物:スウェットが属する布の世界
布は大きく分けて、
- 織物(縦糸×横糸の交差)
- 編み物=メリヤス(ループの連続)
の2つに分かれます。
スウェットは メリヤス の側に属し、ループ構造による伸縮性や復元性が、着心地の基本になっています。

6. 歴史:ウールのスポーツウェアからコットンへ
スウェットの前史は、スポーツ用途のメリヤスにあります。
当初はウールのメリヤスが使われていましたが、汗を吸った重さや刺激、扱いにくさが課題になりました。
その流れの中で、20世紀初頭に コットン(綿)へ置き換える発想が実用化され、今日のスウェット生地の原型が広がっていきます。
(ウールの長所を残しつつ、日常で扱いやすい素材に転換した、というのが要点です。)
7. 良いスウェット生地を見分けるチェックポイント
売り場での実用チェックに落とすと、見る場所はここです。
7-1. 「重い=良い」で決めない
重さよりも、空気を含む弾力(ふくらみ)と、触ったときの復元の速さを見ます。
ただ重く硬いだけのものは、着用時の動きやすさを犠牲にしている場合があります。
7-2. 裏毛(裏側)の密度と復元
- ループが均一か
- 起毛が削られすぎていないか
- 指でつまんだとき、寝るのか/戻るのか
裏側は「吸汗」と「空気層」に直結します。
7-3. 表地の度目(目の詰まり方)
軽く引いて透かしたときに、粗すぎると型崩れが出やすく、詰まりすぎると硬さが出ます。
揉むほどに少しずつ馴染むくらいが、長期着用のバランスになりやすい。
7-4. 10年残るか(クローゼット残存率)
数年後に、首・袖口が伸び切っていないか、全体が痩せすぎていないか、逆に硬く紙のようにならないか。
生地の構造(裏毛)と度目が、この残存率を左右します。
8. よくある質問(FAQ)
Q1. スウェットとトレーナーの違いは?
多くの場合、素材(生地)としては同じ領域で、呼び方の違いです。
日本で「トレーナー」と呼ばれるものは、主に クルーネックのスウェットシャツを指します。
Q2. 裏毛と裏起毛はどちらが良い?
用途で決まります。
汗抜けや季節の幅は裏毛、保温は裏起毛が得意です。
Q3. フレンチテリーとは?
一般に 裏毛(ループのまま)のスウェット生地を指す呼び方です。
Q4. 綿100と混紡はどう選べばいい?
扱いやすさ・乾きやすさは混紡、経年の表情を重視するなら綿比率が高いものが選択肢になります。
Q5. パーカーとフーディーの違いは?
フード付きスウェットを指す点は同じで、英語圏では hoodie が一般的です。