ヴィンテージスウェットの違いはここにある。古着屋に行く前に知っておきたい、ディティールのはなし
ヴィンテージスウェットは古着の中でも人気のあるアイテムです。
古着屋ではたくさんのヴィンテージスウェットが扱われていますが、どのような違いがあり、何が人気なのでしょうか。
ヴィンテージスウェットのディティール
- クルーネックに、襟元にはガゼット、襟と裾・袖にはリブのついたプルオーバートップスがスウェットのスタンダードな形。
- 1920年代にはこの形が完成し、約100年の歴史の中でさまざまなアレンジが加えられてきました。
ヴィンテージスウェットの特徴的な要素には以下の3つがあります。
- ガゼット
- スリーブ
- リブ
ガゼット (襟元のリブパーツ)
ガゼットとは、襟元の逆三角形のリブパーツのことです。
もともとは汗を吸収する役割(「汗止め」)や襟の伸びをよくするために作られましたが、現在ではスウェットのアイコン的存在です。
ガゼットの種類
- ハメコミ: 本体の生地を切り取ってはめ込むタイプ。初期のもので数が少なく人気。
- ハリツケ: 本体の生地に重ねて縫い付けたタイプ。
- 前V: 前面のみガゼットがついたタイプ。
- 両V: 前後両面にガゼットがついたタイプで、前Vより希少。
スリーブ (袖の付け方)
ヴィンテージスウェットは運動用に作られたため、腕の動きやすさを重視したデザインになっています。袖の付け方はシルエットにも影響を与える重要なポイントです。
スリーブの種類
- セットインスリーブ: 肩に対して直角に付けられたスタンダードなタイプ。
- ラグランスリーブ: 袖が襟から脇にかけて斜めにつけられるタイプ。
- フリーダムスリーブ: 袖がS字を描くように縫い付けられるタイプ。動きやすさ重視。
- 脇ガゼット: 袖の下に三角形のガゼットを付けたタイプ。
リブ (襟・袖・裾)
襟・袖・裾にはゴムのように伸縮性のあるリブがついています。運動中でもめくれにくくなるための工夫です。
リブの種類
- ハラマキ: 裾のリブが腹巻きのように長くなったタイプ。初期のヴィンテージに多い。
- ハリヌキ: 凹凸のあるリブ。セーターのような編み地で作られる。
ヴィンテージ「パーカー」
フード付きのスウェットは「パーカー」と呼ばれます。ヴィンテージパーカーには以下のような特徴があります。
パーカーの種類
- 後付けパーカー: クルーネックのスウェットに後からフードを縫い付けたもの。製造期間が短く希少。
- ダブルフェイス: 生地が二重になっており、高い保温性を持つ。
- カンガルーポケット: 腹部に付けられたハンドウォーマー用のポケット。
ヴィンテージスウェットの色
グレー以外にも、カラフルなヴィンテージスウェットが存在します。
カラーと染色の種類
- 先染め: 生地を作る前に染色。
- 後染め: 生地になった後で染色。裏毛も同じ色になる。
カラフルなスウェット
- クレイジーパターン: 左右非対称やマルチカラーのデザイン。
- チームスウェット: チームカラーでカスタムされたもの。例: 米軍訓練用のネイビーブルー。
- ナス紺: 紺色が退色し紫色になったもの。
- 霜降り: 白と灰色の糸を混ぜて作られたまだら模様。
- ごま塩: 灰色が強い霜降りの生地。
プリントスウェット
ヴィンテージスウェットのプリントは種類が豊富です。
プリントの種類
- 水性プリント: 生地に染み込む伝統的な技法。
- ラバープリント: ゴム樹脂で張り付けたプリント。
その他の人気プリント
- キャラクタープリント: ミッキーマウスやスヌーピーなど。
- 雪柄プリント: ノルディックセーター風の幾何学模様。